理化学研究所脳科学総合研究センター
脳科学者
東京大学名誉教授
御子柴 克彦
フランスと日本は異なる歴史と異なる価値観をもち、両国はそれぞれ異なるユニークな得意分野があります。両国が文化面でも科学面でも交流し、協力することにより、それぞれの強みが共鳴し合い、思いがけない大きな結果を生み出しています。また科学と文化が融合することで、新たな発想が生まれ、予想外の発見をもたらします。
フランスでは文化と科学の共存と融和が見事になされています。私はフランス留学を契機に、フランスと日本の良い点をうまく組み合わせ、また科学と文化の融合が進むように研究室を運営してきました。その結果、様々なユニークな研究成果が出されたばかりでなく、多くのすばらしい若手の研究者が育ちました。
教え子のうち、実に40人が、現在日本の(一部欧州の)大学で教授として教鞭をとっております。私はこれをとても誇りに思っていますが、この成果は、まさに日仏間における科学・文化両面での緊密な協調により初めてできあがったものです。
その意味で私にとり、フランスの影響は非常に大きく、特にお世話になったJ-P Changeux 教授、及びその同僚に心よりの感謝を申し上げます。